我が家の娘は、二十歳になる前にはすでに振袖の着物を持っていました。習い事が茶道だったので振袖が必要だったのです。丁度着物を揃えなければと考えていた頃、振袖市というものが開かれたので行って見る事にしました。それは娘が中学生になる頃でした。身長が高かったので中学生にしては少し大人びていた感じもしますが顔はまだ幼く、振袖を選ぶにはとても難しく思っていました。以前は和服店のショーウィンドで振袖を見た事がある位で、購入目的で選ぶ事ははじめてでした。会場には何人かの着物選びの専門家がいて、アドバイスをしてくれるようでした。私は母から聞いていた選び方を基本に探しました。

聞いた基本はまず本人に合う全体の色を探す事でした。赤や青、緑にピンクなど想像していた色よりも数倍の色の種類にすっかり迷ってしまいました。始めから専門家にお願いすればよかったのですが、私でも出来ると頑張ってみました。とりあえず私が選んだ色は、薄い緑を基本にした振袖でした。娘本人は全く解らないのでどんな色でも気に入ったと答えます。娘の答えを聞くと不安が増してきました。そこで最終手段として着物のコーディネーターにお願いすることにしたのです。専門家なら決めてくれると思いました。専門家は娘の顔と体の様子を見て何枚かの着物を持って来てくれました。それらは皆赤色の振袖でした。私が娘には似合いそうもない赤の色はなるべく避けようと思っていた色だったので、驚きました。専門家は、娘は顔の色が白いので、赤の色を使うともっと輝くと説明してくれました。

勿論嫌なことは言われないのは解っていますが、それでも褒めて頂いた事がとても嬉しかったです。結局選んで頂いたうちの一枚に決めて、かりに着せていただいた時はもっと嬉しかったです。専門家の人には、まだまだ成長するのでもう一度振袖を選ぶ日が来ると言われました。その時は、出来上がった振袖ではなく、一番似合っている生地を探して作るといいとアドバイスを受けました。もう一枚振袖を作る楽しみが出来た事はうれしいのですが、我が家にとっては高額な資金が必要な着物をまた作らなければいけないという心配の方が私には気になりました。それでも娘で楽しめるのは今のうちだけと思っています。いずれ親元から離れて行くことを考えると、親も大いに楽しもうと思います。茶道を習っているお陰で私達親も美味しい抹茶を頂いていい思いをさせてもらっています。